ウェブカツの自社アフィリエイト終了と広告費投入について生徒として思うこと

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2019年8月1日、プログラミングスクール「ウェブカツ!!」が自社アフィリエイトを終了させた。今までは有料会員のみアフィリエイトを利用可能としていたのだが、今後は一般のアフィリエイターにも利用できるようにするらしい。

これはウェブカツ運営者かずきち氏の広告戦略の転換に伴うもので、事業・サービスを発展させるためには、当然だろうなと思う部分もあるのだが、一方でアフィリエイターや広告費に関する今までの彼の発言との一貫性が無いように思えて、少し気になってしまった。

この記事では、ウェブカツ運営者のかずきち氏がどの様な考えに基づいて今回の方針変更を決断したのかについて考えてみたいと思う。

>> ウェブカツ公式トップページ

また、ウェブカツがどの様なプログラミングスクールであるかについては、次の記事に書いたので参考にしてほしい。

ウェブカツ運営者かずきち氏のアフィリエイトに関する過去の発言

まず、プログラミングスクール「ウェブカツ!!」の運営者かずきち氏の過去のアフィリエイトに関する発言を紹介しよう。

ウェブカツ公式ブログにおけるアフィリエイトに関する発言

次の記事は、私がウェブカツへの入部(入会)を決める切っ掛けになった、ウェブカツ公式ブログの記事だ。

この記事で、かずきち氏は次のように述べている。(ただし、将来的に上の記事はかずきち氏によって書き換えられると思うので、あなたが読むときには以下の記述が変更されているかもしれない)

—- 「3 マナブもやばい。。」から引用 —–


(前略)、アフィリをやるのは悪い事じゃないんですよ。


「しょうもなく低レベルで本1冊買えば良いレベルだったり、ググれるレベルのもの(いわゆる情報商材)をアフィリエイトを使って販売している」


「ちょっと触りの体験をした程度をまるで全部分かっているかのように紹介していたり、アフィリ報酬のパーセンテージが良い広告主をブログで紹介している」


ということが「カス」なわけです。
ここらへんはこの記事の最後の方でも紹介しています。
さらには


「良いものを紹介すること自体は悪いことではない」



「そこに対して紹介してくれた人に謝礼を支払うのだって悪いことではない」


わけです。
うちのスクールでは「有料の部員」しかアフィリ出来ませんし、しょうもないアフィリ目的の記事書いてる人見つけたら僕が「強制退部」させてますからね。

—- 「7.5 ウェブカツ!!と比較してみた」からの引用 —-

ちなみにうちのスクールでは、

・人件費も最低限
・アフィリエイトは受講生のみ利用可能
・有料会員になってから報酬が発生する
・技術系記事をブロガーに頼んだ事がない

という形をとっているため、その分プログラミング初心者の目に触れる機会は少なく、頑張って検索しなければ出てきません。(悲しい事ですが仕方ありません)

しかし、その代わりに「高品質なものを超低価格」で提供できています。

このブログ記事における、かずきち氏の発言は次のようにまとめることができる。

  • アフィリエイトという仕組み自体は否定していない。
  • 収入目的だけで記事を書いているアフィリエイターを「カス」と呼び、強く否定している。
  • ウェブカツでは「カス」アフィリエイターを排除するため、受講生のみアフィリエイトを許可している。
  • 他の有名スクールのような技術系記事をブロガーに頼んだ事がない。
  • 「カス」アフィリエイターやブロガーを使った広告戦略をとっていないため、知名度は良くないが、「高品質なものを超低価格」で提供できている。

Twitterにおけるアフィリエイトに関する発言

以下がウェブカツ運営者かずきち氏のアフィリエイトに関するツイートだ。

Twitterにおける、かずきち氏の発言は次のようにまとめることができる。

  • 「プログラミングスクール」はアフィリエイトではボロ儲け商材(無料体験だけでアフィリ報酬が支払われる、簡単な技術ブログ書くだけで1万近く支払われる)
  • プログラミングスクールの広告費を回収するために負担させられているのは生徒達
  • 詐欺師になっている事に気付いてないアフィリエイターが多い
  • アフィカスにウェブカツアフィリや紹介記事を書いてもらいたくない
  • アフィリエイトの仕組みは事業を爆速で成長させてくれるため、アフィリエイト自体は賛成

ウェブカツ運営者かずきち氏のアフィリエイトに対する考え方

かずきち氏のアフィリエイトに対する考え方をまとめると、次のようになる。

かずきち氏のアフィリエイトに対する考え方
  1. アフィリエイトを利用することは否定していない。むしろ「事業を爆速で成長させてくれる仕組み」として肯定している。
  2. 収入目的だけで記事を書いているアフィリエイターは詐欺師・カスであり、アフィカスにウェブカツアフィリや紹介記事を書いてもらいたくないと思っている。
  3. プログラミングスクールの広告費を負担させられているのは生徒達。

そして、

  1. 事業を爆速で成長させるために、アフィリエイトという仕組みは使用したい。
  2. でも詐欺的なアフィリエイター(アフィカス)に利用させたくない。
  3. 生徒への広告費の負担、つまり料金は低価格に抑えたい。

という、かずきち氏のポリシーのもとに編み出された広告戦略が

「有料会員のみにアフィリエイトの利用を認める

ということや、後述する

「生徒によるTwitterやブログでの発信」

ということだったのだろう。しかし、どうやらこれらの広告効果に限界を感じたらしい。

ウェブカツの広告戦略の変更

かずきち氏によるウェブカツ広告戦略の変化を理解するために、今までの広告戦略についてまとめておこう。

従来のウェブカツの広告戦略

ウェブカツの過去の広告戦略を簡潔に表現すると、

Twitterやブログを最大限に利用した、全く広告費を使わない集客方法

と言うことができる。

広告費は

  • ウェブカツの有料会員のみに許されたアフィリエイト
  • 月1万のTwitter広告

だけらしい。広告費をほとんど使っていないのに、集客できてしまうところが凄い。

そして、集客方法の本質を担っているのが次に挙げる事柄だ。

ウェブカツの集客方法の本質を担っていること
  • ウェブカツ鬼十則に基づく、生徒によるTwitterやブログでの進捗状況の発信
  • 「女性割引部員、学生割引部員」による1日1回の進捗ツイート
  • 「女性割引部員、学生割引部員」による月2回のブログ記事作成
  • 有料会員(女性割引部員、学生割引部員は除く)だけにアフィリエイトを許可し、ブログ記事やツイートの推奨。
  • ウェブカツ運営者かずきち氏によるTwitter炎上マーケティング

これらを「ウェブカツ」というシステムの中に組み込み、仕組み化することで、生徒を広告塔にして口コミで集客している。

これが従来のウェブカツの「広告費を使わない」広告戦略だ。

そして広告費を使わないからこそ、他のスクールに比べて学費を圧倒的に低くすることができた。

今後のウェブカツの広告戦略

上で述べたように、従来のウェブカツは広告費をほとんど掛けない集客方法を採っていたが、今後は広告費を積極的に投入していくらしい。

この広告費とは、具体的にどの様なものに金を投入することを意味するのだろうか?

かずきち氏の過去のツイートを探ってみると、いくつかヒントが得られる。

これらのツイートによると、プログラミングスクールの代表的な広告方法には以下のものがあるようだ。

  • アフェリエイト広告
  • 技術系記事をブロガー・ライターに依頼し、サイト内コンテンツの情報量を大きくする。
  • GoogleやYahoo!などのリスティング広告

そして有名(メジャー)なプログラミングスクールでは、

  • 月1000万円単位の広告費
  • 無料体験でもアフェリエイト報酬が発生する
  • 高額なアフェリエイト報酬
  • 高額な(技術系記事の)ライティング報酬

というように、大量の広告費を使って集客しているようだ。

では、今後のウェブカツの広告戦略もまた、メジャーなスクールと同様になっていくのだろうか?

かずきち氏があれだけ批判していたメジャーなスクールと同じ方法を採るとは考えにくいのだが、この記事の冒頭で述べたように、有料会員のみに許されたアフィリエイトは終了し、ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)を使って、一般のアフィリエイターにも利用できるようにするらしい。

これはつまり、今後は「カス」アフィリエイターのアフィリエイト利用を不本意だが認める、ということだろう。

ウェブカツの本当の価値を知っていて、本気で他人に勧めることができるのは、生徒や卒業生だけだ。それ以外の人間が、アフィリエイトを使ってウェブカツを勧めるとしたら、きっとその人はかずきち氏が嫌悪している「カス」アフィリエイターだろう。

アフィリはASP使ってこれからがっつりやりますよ

これは結局、「カス」アフィリエイターを使って宣伝していきますよ、と言っているのと同じだ。

これは私の個人的な感想に過ぎないのだが、かずきち氏には今までのポリシーを貫いてほしかった。アフィリエイトを利用できるのはウェブカツの有料会員、そして見事に卒業を果たした生徒にも卒業後のアフィリエイトの利用を認めるという方法もあったのではないだろうか?

その一方で、「事業を爆速で成長させてくれる仕組み」であるアフィリエイトを最大限に利用する方針に転換したこと自体は、経営者として当然の決定を下しただけだと理解できる。

経営者として現在の広告戦略の限界を悟り、それを打ち破る方法が分かっている。しかし、その方法を実行すると、過去の自分の発言・ポリシーに反してしまう。

ウェブカツは今、急激に成長しているサービスだ。過去の自分の発言・ポリシーに縛られて、実行すべきことを実行せず、事業の成長のチャンス・タイミングを逃してしまうのは馬鹿げている。かずきち氏はそう思ったのかもしれない。

ブランディングの修正ということか?

ウェブカツでは単にWebプログラミングを教えているだけでなく、「営業部」や「起業部」などでビジネスの基本も教えている。 そして起業部の内容に「ブランディング」という項目もある 。

ウィキペディアによると「ブランディング」とは次の意味だ。

ブランディング(英: branding)とは、ブランドに対する共感や信頼などを通じて顧客にとっての価値を高めていく、企業と組織のマーケティング戦略の1つ。ブランドとして認知されていないものをブランドに育て上げる、あるいはブランド構成要素を強化し、活性・維持管理していくこと。また、その手法。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

かずきち氏はツイートで次のように言っていた。

アフィカスにウェブカツアフィリや紹介記事を書いてもらいたくない

また、ウェブカツのサイトの、生徒のマイページ(マイロッカー)において、「運営者側からのお願い」として次のように書かれていた。

アフィリエイト収入目的の上辺の情報やスクール比較が乱立してしまい、右も左も分からない初心者の方が安易な選択をしているのが現状です。

ウェブカツ!!のアフィリエイトはあくまでモチベーションUPや自分と同じ悩みを抱えている方の助けになる情報を届けるためのものです。

実際に学んだ中での率直な感想やまとめの記事を書くようにしましょう。

これらもウェブカツ、そしてかずきち氏のブランディングの一部だ。

これらの言葉に感銘を受け、ウェブカツを支持している人も少なくないだろう。

ウェブカツのポリシーに共感していた人たちは、今回の方針転換に驚きや落胆を感じたかもしれない。

今回の方針転換は、過去のウェブカツのブランディングでは限界があったので修正するということなのだろう。


ウェブカツのサービス自体は本物なので誰も損しないし、生徒に迷惑が掛かるわけでもない。迷惑を被るのは、かずきち氏本人だけだろう。

今回の方針転換には、過去の発言からの変化もあるので、批判も予想される。

でもそんなことは意に介さない人なのだろう。かずきち氏はかなりメンタルが鍛えられた人だ。Twitterも自分で炎上させようとするくらいの人だし、他人の批判で折れるような人ではない。

自分の過去の発言に縛られないところが凄いところだ。私だったら、自分の過去の発言との一貫性を考えて躊躇してしまいそうだ。彼は必要だと思ったら遠慮も躊躇もしない。行動力・決断力に感心させられる。(社員や関係者はきっと振り回されているだろう...)

成長過程にあるサービスをリアルタイムで経験できるというのは、素晴らしい体験だ。サービスがどんどん変化・発展していく様子を実感することができる。

特にかずきち氏の場合、Twitterで経営者としての考えを発信しているので、読んでいて面白い。(ただ、ツイート内容は万人受けするものではないので、これから彼のツイートを見ようとする人は注意してほしい)

Web業界は変化の激しい業界だ。ウェブカツが今教えている内容も数年で陳腐化してしまうだろう。そうならないためにもウェブカツのコンテンツ、ウェブカツの運営の在り方も絶えず変化し続けなくてはいけない。競争の激しいプログラミングスクール業界の中で、今後ウェブカツがどの様な戦略を取るのか、過去にウェブカツで学んだ者として興味をもっている。(2020/11/02 追記)

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